平成26年7月


7月31日(木)

「遺体を解剖してみたかった」—。また子どもが子どもを殺した。佐世保市で高1女子生徒(16)がクラスメートの女子生徒(15)を殺害した記事を読み、子どものころ、お寺で見た地獄絵が浮かんだ▼閻魔(えんま)大王の裁きを受けた罪人を鬼たちがマナ板の上に乗せ、体をノコギリなどで切り刻んだり、大きな臼ですりつぶしたり、激しく拷問…。「人を殺したら鬼に殺されるよ」と教えられたものだ▼殺された女子生徒が母親に「7時ごろ帰る」とメールしたのは、不吉なことが起きるとされる夕暮れの逢魔(おうま)の時。友人のマンションに誘われ、人体解剖の実験台に。首と左手はノコギリで切られ、腹部は大きく切り裂かれていた▼悪魔にとりつかれた少女は小6の時、給食に漂白剤や洗剤を入れたり、小動物を解剖するなど「人の死」に趣味があったという。昨年、母親が亡くなり父が再婚したころ、父親をバットで殴って、家を飛び出した▼臥牛子などカエルを解剖したり、ヘビを殺して焼いて食べた。多情多感な思春期。「人体の謎」に関心を持つのは当然。だけど、生きている動植物を食べなければ生きて行けないという「命の大切さ」を説く教育が肝心。「大事に育ててきた宝物」の冥福を祈るばかり。(M)


7月30日(水)

地域活性化の鍵は若者の参加と言われるが、函館でも最近、動きが活発。この2週間余りの本紙にも、イベントや商品開発に関わる話題が報じられている▼北海道新幹線の開業まで1年8カ月。このチャンスをどう地域に生かすか、具体的な取り組みが見えつつある。その一つに函館らしさを秘めた新商品の模索があるが、そこに若い人たちが応えている▼例えば、函館商業高校の生徒は五島軒と知恵を絞って、函館の夜景をイメージしたゼリー「函館ジュエリー」を共同開発した(11日付)。函館大の学生と函館朝市協同組合連合会が「朝市にふさわしい」をテーマにしたオリジナル商品の開発は最終段階(22日付)▼また、大学生有志は夏向き2種類のおにぎりを提案(20日付。期間、地域限定商品としてサークルKサンクスで販売)。グリーンプラザで開いている大門合同学生祭も地域を意識した意義ある企画(13日付)である▼いずれも歓迎される話だが、大事にしなければならない思いは腰を折らないこと。若い人には年配者が考えつかない発想や知恵があり、何よりパワーが違う。しかも…こうした経験は必ず将来のまちづくりに生きてくる。そう考えると、期待はさらに広がる。(A)


7月29日(火)

万葉集で大伴家持が「…夏痩せに良しという物ぞ鰻(うなぎ)とり食せ」と詠んだが、江戸中期の平賀源内は夏に売れ行きが落ちるウナギ屋に頼まれて「丑の日にはウナギを」の宣伝文句を編み出した▼源内がキャッチフレーズを考案したということは、当時のウナギはさほどの味ではなかったのだろうか。土用にウナギに群がるのは源内の謀略に乗せられる群集心理のワザか…。それにしても国産は高根の花▼中国産が1000円台なら、国産は3倍超。せめて匂いだけでもと思えど、ビニールで包んである。それでもスーパーでは高価格の養殖ウナギが売れている。国産蒲焼限定の予約販売も好調とか▼6月にニホンウナギが絶滅危惧種(レッドリスト)に指定されたのに、国際条約で取引が規制されているヨーロッパウナギを輸入するなど、世界の7割まで食べている日本は旗色が悪い。長期的な国際管理と規制が必要ではないか▼「今年はシラスが安い」とか「夏のボーナスが増え、中国の鶏肉問題もあり、国産に人気がある」と分析しているが、ウナギが絶えては元も子もない。夏バテに効く蒲焼は真夏日の体が欲するのだ。ウナギに敬意を払って、29日の「丑の日」は国産の高級鰻重にしよう。(M)


7月28日(月)

「四本足は机以外、二本足は両親以外、飛ぶものは飛行機以外、水中のものは潜水艦以外、なんでも食べる」。中国人の食に対するイメージとして使われる冗談めかした慣用表現。ならば「腐った肉」も平気なのだろうか▼保存期限の切れた鶏肉を使っていた中国の食品加工会社から、日本マクドナルドなどがチキンナゲットの材料を調達していたことが発覚。テレビは変色した肉を写し、「食べても死なない」という作業員の言葉も伝えた▼毒ギョーザ事件、毒粉ミルク事件など中国産の食品をめぐる問題は後を絶たない。スーパーの生鮮食品などは産地表示されており、消費者に選択の余地もあるが、外食時や加工食品にまで気を配っている人は少ないだろう▼日本の食料自給率は先進国でも最低レベルで4割を切る。一方で中国からの昨年の食品輸入額は1兆円を超えた。「自給率200%」の道内でも、当たり前に中国産の食品が流通している▼「医食同源」「民は食をもって天となす」…。食の大切さを表したことわざも多い中国で、食の安心・安全が軽んじられている。まずは中国産食品のチェックを厳重にすること、将来的には日本の食料自給率を向上させていくことが望まれる。(I)


7月27日(日)

ついに女子高校生にも魔の手が…。麻薬のような幻覚や妄想、興奮作用を起こす「脱法ハーブ」。吸って車が暴走、死傷者を出す交通事故が続出。業を煮やした警察庁と厚労省が「危険ドラッグ」と呼び名を改めた▼先ほど、山梨県で「危険ドラッグ」を所持していたとして、女子高校生(15)と少年(16)が逮捕された。2人は指定薬物の粉末を「火であぶって吸った。インターネットで購入した」と供述。数種類の薬物も持っていた▼石川県で中国から麻薬を密輸したとして男2人を逮捕。粉末状の麻薬を中国から郵送させていた。倉庫には乾燥機などがあり、麻薬や植物片を混ぜ合わせて危険ドラッグを密造。東京などの業者に売っていたとみられる▼名古屋では0・6グラムを1500円で買った客が近くの路上で倒れ、警察に保護された。事件や事故が起きるたびに違法薬物に指定するが、次々と新しい危険薬物が出回る▼逮捕された女子高校生たちが、やがて覚せい剤や麻薬に手を出す予備軍になってはならない。「脱法」から「危険」へ変更のお触れを出したものの、本当に「命を奪う危険性」を浸透させなければ。警察は「危険と認識して薬物に手を出さないでほしい」と警告している。(M)


7月26日(土)

これだけ騒がれているのに、いるものである。今度は飛行機の中で道議が乗客や乗務員に暴言を吐き、議員辞職した。シートの倒し方をめぐる口論が発端。道議は酒を飲んでいたが、自身は「酔ったつもりはなかった」という▼セクハラ野次や号泣会見など、地方議員の不祥事が世間の批判を浴びている。当然、ほとんどの議員は自らを厳しく律しているはずだ。暴言を吐いた道議は普段、温厚な人柄というが…▼わが国の地方議員は都道府県議で約2700人、市区町村議員なら3万人を超すというから、いろいろな人がいる。今回の一行は北海道農業の振興に役立てようと、ドイツやフランスの農業政策の視察に向かう途中だった▼情報が発達した現代、多額の公費(税金)をかけてヨーロッパまで行く視察は、どんな深い意義と目的があったのだろう。道議の言動とは直接、関係ないが、そちらの目的も気になってくる。今回は自民党と民主党の議員計8人が参加したという▼国内に目を転じると、議会視察の行き先は夏は北海道、冬は南国が多いとされる。国内有数の観光都市・函館も、地方議会からの視察が多い。政務活動や視察の原資は税金。その使途に、国民は目を光らせている。(P)


7月25日(金)

南北北海道の夏の甲子園代表が決まった。南の東海大四は現在の監督が主将として出場していた1993年以来21年ぶり5回目。北の武修館は釧根勢決戦を制して初出場を決めた▼何十年ぶりとか、初出場となると、地域や学校関係者は大いに盛り上がる。十数年前に母校が15年ぶりの甲子園出場を決めた際には、寄付金が集まりすぎたそうだ。それ以来、甲子園出場はない▼この夏、函館支部勢は残念ながら6年ぶりに3チームとも初戦で敗れてしまった。函大有斗は東海大四、知内は小樽潮陵と、ともに決勝まで進んだチームと初戦でぶつかるという不運もあった▼北海道の高校野球といえば、10年ぐらい前まで甲子園に出ても初戦突破できるかどうかという状況が続いていた。しかし2004年に駒大苫小牧が全国の頂点に立って以降、甲子園での活躍がより期待されるようになった▼練習方法の工夫などで、高校野球は全国的にレベルの差が縮まっているといわれ、近年の甲子園では強豪校の敗退やダークホースの躍進が目立つ。道内でも長く低迷が続いていた釧根勢が24年ぶりの切符をつかんだ。17年間、甲子園から遠ざかることになった函館勢にも、来年こそと期待したい。(I)


7月24日(木)

今年も市民創作「函館野外劇」が五稜郭で上演中だ。会場を郭内に移し、演出がどうなるかと不安だったが、これまで同様に素晴らしい舞台だ▼堀を使った船の往来や、動物を歩かせることはできなくなったが、箱館戦争の殺陣(たて)は役者の息遣いが聞こえ、臨場感が増した。石川啄木が函館を去るシーンも悲壮感あふれ胸を打たれる▼出演者は約400人。高校生から国・道・市の職員、主婦などさまざま。報道機関の記者やアナウンサーも石川啄木、ブリュネを務めるほか、町娘や開港後にやってきた外国人役で登場する▼出演者に聞けば、客席との距離が縮まり、緊張の連続という。出る以上はボランティアとはいえ、客は入場料を払っていることは承知している。終演後はスタッフと一緒に、疲れた体で約800席のいすを会場から撤去する▼タイトル「星の城、明日に輝け」は、函館の歴史を未来へ受け継ぐ願いを込めている。歴史物語から函館を発信できる野外劇を残すにはスタッフ、キャストの力とともに観客が増えることが大切▼早いもので今年も前半が終わり、残るは25〜27日と8月8〜10日の計6回。毎年、最終日に近づくと大混雑するので、早めに足を運び、ご声援を。(R)


7月23日(水)

澄みきった青い空、小麦が豊かに実る黄色の大地。ウクライナの国旗は青と黄の2色。その2色の地平線に、撃墜されたマレーシア航空機の悲惨な血の“赤”が加わった。298人の命が一瞬に散って…▼無残な遺体と約15㌔四方に焼け焦げ砕け散った機体。青と黄の大地に突き刺さった翼は墓標のよう。外電は「ウクライナの大地が地獄絵図に」と惨状を伝えた。遺体は親ロシア派武装集団が奪い、保冷装置付きの貨車に運んだという▼旅客機が撃墜された東部は親ロシア派が実効支配し、ウクライナ政府軍との戦闘が続いている。親ロシア派が政府軍機をミサイルで撃墜しており、マレーシア機を政府軍機と誤認して撃墜した可能性が高い▼現場は親ロシア派が立ち入り禁止に。旅客機にはオランダやオーストラリア、英国、マレーシアなど紛争と関係のない国の人々が搭乗。85人の子供や国際会議に出席する学者らも犠牲に▼こんな理不尽で国際的な大惨事は許しがたい犯罪行為。国連は「武装集団は調査を妨害しない」などの決議採択を決定。国際社会は早急に原因を究明してほしい。その前に収容した遺体が傷まないうちに家族のもとへ帰すのが先決。“血の赤”を消すためにも。(M)


7月22日(火)

「畑にたっていたカカシまで機銃掃射された」—。1945年7月14、15日の函館空襲について聞き取り調査を続けている七飯町の浅利政俊さん(83)が、函館市椴法華地区の実態を掘り起こした▼当時14歳だった83歳の女性は7月15日の朝、椴法華国民学校が焼かれ、煙がもうもうと上がる様子を覚えていた。学校のほか、郵便局や役場、灯台などが攻撃された▼機銃掃射で妹を亡くした95歳の女性は、妹の火葬すらできなかったことに涙する。火葬場で焼くと煙が出て、敵機に知られ再び空襲を受けるためだ。遺体は木箱に入れて一時土葬され、空襲がなくなってから掘り返し、火葬場で焼き、お骨を拾った…▼函館空襲は函館駅やドックへの爆撃が有名だが、浅利さんは郡部の銭亀沢や戸井などで埋もれた犠牲者を掘り起こしている。今回も椴法華で繰り広げられた地獄絵を、生き証人の言葉で紡いだ▼戦後69年。戦争体験者が急激に減る中で、歴史や教訓をどう次世代に伝えていくかが課題だ。「継続して調査しなければ、戦争世代が生きてきた事実関係や個々の戦争に関する歴史は永久に消滅する」と浅利さん。生き証人も一様に語る。「戦争したって何の価値も、夢も生まれない」と。(P)


7月21日(月)

女性の社会進出を推し測るバロメーターの一つに、役員や管理職全体に占める比率がある。言わずもがなだが、欧米諸外国が概ね30%を超え手いるのに対し、我が国は極端に低く、いまだ10%レベル▼男性は働いて収入をもたらし、女性は家庭を守る…そんな世俗文化が長年尾を引いて、女性は補助的な扱いを受けてきた歴史のつけとも言えるが、時代は変わった。言うまでもなく男女に能力的な差などない▼女性の就労割合は確実に増えている。子育てなど女性を取り巻く社会環境の整備はまだ十分とは言えないが、徐々に整いつつある。あとは社会の意識をどう高めていくか、安倍内閣が打ち出した▼2020年というから、6年後になるが、企業や官公庁の女性管理職の比率を30%にする目標を。それに経団連も呼応し、先日、登用をうながす自主行動計画を発表し、大企業は個々に実行に移し始めている▼それに異議を唱えるものではないが、ことの性格を考えると、目標設定は馴染まないという指摘もある。単に男女の比率の問題ではないから。実力主義の定着こそすべてに勝る誘導策という論だが、確かにそう、目標ありきの登用は女性に対して失礼にあたる。(A)


7月20日(日)

夫がほかの女性に走ったため離婚。手職もなく、昼はパート、夜はスナックでバイト。財布にはミルク代すらなく、お客が残した食べ物を持ち帰ったことも…▼母子の絆を深めようと、1日に2時間の「おんぶに抱っこ」は欠かさず「こんな母でごめんね」と謝った。小学高学年になり「友だちがやっているゲーム機がほしい」の声にも「そんなお金は、うちにはない」と諭した▼国の成長戦略は子育てしながら仕事を続ける「輝く女性」の活躍を掲げているのに、厚労省の調査で「子どもの貧困率」が浮き彫りになった。平均的な所得の半分を下回った世帯で暮らす子どもが16・3%で過去最悪▼しかも母子家庭が2年前に比べ11万世帯も増え、うち40%が非正規就業という。「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人が59・9%に上り、ミルクやオムツも買えず、日々の暮らしに困難な母子が多いのだ▼母子家庭といじめられて「なぜ自分は生まれてきたのか」と悩んでいる児童もいるという。貧困家庭で育った子どもは十分な教育が受けられず、大人になっても再び貧困になるという「貧困の連鎖」が心配されている。国は「生きることを悔やむ社会」を根絶する政策を。(M)


7月19日(土)

金融商品や不動産の勧誘電話、怪しげな商品を紹介するダイレクトメール、インターネットサイトの架空請求…。どれも経験したことがあり、その都度、どうやって個人情報が知られたのか、不審に思っていた▼ベネッセコーポレーションの顧客情報流出事件。不正競争防止法違反(営業機密複製)容疑で逮捕されたシステムエンジニア(39)は、顧客情報を名簿業者に売却し、数百万円を受け取ったことを認めているという▼「名簿業者」とネットで検索してみると、さまざまな業者が各種学校の同窓会名簿や、「高額所得者」「ギャンブル愛好家」などとジャンル分けした名簿を扱っている。いずれも「不正入手した情報は扱っていない」「本人の申し出があれば削除する」とうたっている▼個人情報保護法では、名簿の売買を禁じておらず、名簿業者自体も違法ではない。とはいえ自分の情報が記載について確認するのは困難だし、業者が「不正入手だと知らなかった」といえば、責任は問われない▼業者間で「子どもの情報は『金の卵』」といわれるそうだ。知らないところで自分の個人情報が売買されているというのは、気持ちのいい話ではない。規制の動きに注目したい。(I)


7月18日(金)

「かもしれない」。ハンドルを握る際、必ず頭に入れておかなければならない言葉であり、思い。というのも、いつ、どんな状況で…自分に責任が有る無しにかかわらず、運転に大丈夫はないから▼それを軽く考えた時、大きな事故は起きる。13日に小樽で4人がひき逃げされ、3人が死亡する事故が発生した。近ごろ多発の脱法ハーブが原因の事故同様に論外だが、「(大丈夫)だろう」はその時点で危険信号▼逆に、その対極にある安全信号が、この「かもしれない」。「だろう運転」は危ないのでしてはならない、という警告であり、「かもしれない運転」は事故が起こりうるという認識を、という呼び掛け▼運転中は、常に「(危ない)かもしれない」環境にある。対向車がはみ出してくるかもしれない、建物の陰から人が出てくるかもしれない、前を走っている車が急に停まるかもしれない、など「かもしれない」は数え切れない▼よく言われるが、事故を起こして気がついた時は遅い。具体的な行動として肝に銘じるべきは飲酒や速度超過、無理な追い越しをしないなど交通法規を守ることだが、それにも増して大事なのは運転への心構え。「かもしれない」を忘れてはならない。(A)


7月17日(木)

「よーいとなあ〜千両万両の金じゃもの」…。先日、皇居で開かれた「天皇陛下傘寿を祝う催し」で、郷土色豊かな民俗芸能8題が披露された。北海道からは「江差沖揚げ音頭」が出演、両陛下から拍手が送られた▼江戸から昭和中期の鯡(にしん)漁は重労働。舟漕ぎ、網起こし作業には全員の統一が不可欠。睡魔を払って、気力を引き立てるには唄が一番。本州の出稼ぎ者が唄を持ち込み、船頭が即興作詞で生まれたのが江差沖揚げ音頭▼起こした網から鯡を汲み出し、前浜まで運び「江差の五月は江戸にもない」という情景を再現した。50年前に北海道無形民俗文化財に指定され、保存会が瓶子(へいし)岩を背に披露、観光客らを感動させている▼江差は鯡にまつわる民俗芸能の宝庫。「江差追分」を筆頭に、花柳界で唄い継がれた「江差三下がり」、ユーモラスなしぐさの「江差餅つきばやし」、鯡の天敵の鮫を退治した「江差さめ踊り」など▼昔、高校の学園祭で鹿子の争いと和解を勇壮に再現した「五勝手鹿子舞」を踊った。今ひとつ、姥神大神宮祭の山車「松寶丸」が祇園囃子を伝授されたという「江差祭り囃子」も江差の民俗芸能に加えたい。来月の大神宮祭で鯡を呼び込み「沖揚げ音頭」を熱演しよう。(M)


7月16日(水)

もう聞きたくない、と思っているのに聞かされた。先日の本欄でも触れられていた国会や東京都議会、兵庫県議会の良識が疑われる議員の姿。女性軽視の野次に、政務活動費の疑惑を持たれる使途…▼問題を起こしているのは激しく、大変な選挙を経てバッチをつけた人である。その立場の重さを考えると、理解に苦しむのだが、またか、というのも現実。政務活動費に関しては氷山の一角と厳しい見方さえある▼その趣旨は調査研究活動のための経費。上限金額が設定されているが、拡大解釈できることから問題となることが多々。不明朗、不透明…函館市も含め、全国の市民オンブズマンが監視の目を向けて久しい▼監査を請求し場合によって裁判も。この10年ほどの間にオンブズマン側が得た勝訴判決は60件以上という。号泣した兵庫県議の現実に不可能な出張、同じく複数の県議の多額な一括切手購入も、提訴されれば…▼誰しも一言や二言、言いたくなってくる。議員の数をさらに減らせ、という声も勢いがつくし、政務活動費を廃止して報酬に一本化すべき、という提起もされかねない。でも甘んじて受けるしかない。そのボールを投げているのはいつも議員の側なのだから。(A)


7月15日(火)

13日に投開票された道南2町の町長選挙は、いずれも現職を破った新人が初陣を飾った。過疎化、景気低迷など、停滞する地域の現状打破を、町民は新たな町長に求めた。江差町長に当選した29歳の照井誉之介氏は、全国最年少の首長となる▼これまで、全国では岐阜県美濃加茂市の藤井博人市長(29)、道内では夕張市の鈴木直道市長(33)が最年少。藤井市長容疑者は今年6月に事前収賄などの容疑で逮捕され、鈴木市長は財政再建団体の夕張に派遣された元東京都職員からの転身として、良くも悪くも注目を集める▼照井氏は、子育て支援、教育、高齢者対策の充実、農漁業と商工業の振興などを掲げ、「希望と自信を持って暮らせるまちづくりを」と訴えた▼ただ、こうした課題は道内のほとんどの市町村が直面しており、大きな成果を挙げているところはあまりない。行政経験がなく、前職は新聞記者。この間まで取材相手だった年上の役場職員が、今後は部下となることにも、やりにくさはあるだろう▼それでも、「江差の五月は江戸にもない」といわれたかつてのにぎわいを取り戻すために、町民は江戸にもいない「若い町長」を選択した。若さあふれる大胆な発想によるまちづくりに期待したい。(I)


7月14日(月)

14日早朝に、いよいよ決勝戦を迎えるサッカーW杯。だが最高潮に盛り上がっているはずの開催国ブラジルが、今失意のどん底にある▼事件が起きたのは、9日に行われた準決勝のブラジル—ドイツ戦。絶対的エースのネイマールと、主将のチアゴ・シウバという2人の大黒柱を欠きながらも勝利を信じて疑わない地元サポーターの前で、1—7という屈辱的な完敗。13日の3位決定戦でもオランダ相手に0—3と沈み、サッカー王国のメンツは丸つぶれに▼開催国として4位という順位は合格点に見えるが、後半2試合の負け方がひどすぎた。ブラジル各地で暴動も起きていて、W杯を通じて国内経済の復興を狙っていた政府にとって、まさに想定外の事態だ▼かつては五輪やW杯などの国際大会が、国や都市が大きな発展を遂げるきっかけとなった。1964年の東京五輪や1972年の札幌五輪などが顕著な例だ。しかし最近では、開催費用が負担となり経済を冷え込ませることも。今回のW杯のように、逆に国民の心理に悪影響を与える場合も▼東京五輪まであと6年。五輪特需に期待する声も聞かれるが、常にリスクが伴うことを肝に命じる必要がありそうだ。(U)


7月13日(日)

「メタボリックシンドローム」も今や「メタボ」で通じる時代。それだけ言葉として使われ、意味が通じるからだが、裏返すと、それほどに該当者が多いということ。実際に予備軍を含めると2000万人とも推定されている▼生活習慣病と考えれば分かりいい。腹囲に加え、血圧や血糖、血中脂質などが教えてくれるが、自覚症状がないから認識があいまいに。その結果として糖尿病など関連医療費が増加の傾向を続けている▼放ってはおけないと、国も対策に乗り出し、2008度に特定健診(糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査)を制度化した。この通称・メタボ健診を通して設定した目標は、17年度までに受診率を70%、患者の25%減少▼だが、現実は簡単ではないようで。初年度の受診率は38・9%だったが、厚労省が先日、発表した12年度は46・2%。年々、伸びてはいるものの、早くも目標達成に赤信号が灯り始めている▼健診結果は自覚をうながしてくれる。それは現実を知るからだが、実際に11年度の統計は、健診結果で受診者の20%弱の420万人が指導対象と診断され、67万人が指導を終えたと報告している。まずはメタボ健診を…誰の為でもなく、自分のために。(A)


7月12日(土)

♪ずっと誠実でいると君は誓った 僕の破れた心が痛む 波が打ち消すごとに〜 半世紀前にヒットしたパット・ブーンの「砂に書いたラブレター」。砂浜に書いた恋文を波が消していった…▼「恋しくて恋しくて、早く会わないと僕は何も手がつかない」「君から返事がないので毎日毎日心配で心配で、じっとして居られない」…。自死した作家の川端康成が22歳のとき、初恋の伊藤初代に書いた恋文▼東京本郷のカフェで13歳の初代と出会い心引かれたが、初代は事情があって岐阜の寺に養女に預けられた。追いかけて婚約したものの、1カ月後に初代は手紙で「ある非常」を理由に婚約破棄を通告▼その初代と交わした書簡11通が鎌倉市の川端邸で見つかった。10通は初代から届いたもので、1通は川端が初代宛てに書いた未投函のものだった。2人の純愛を伝えるが、初代が「ある非常」という不可解な手紙を残し身を引いたため恋は実らなかった▼親の愛情に恵まれず、15歳で孤児になった川端の手紙は初恋特有の焦燥感で痛々しい。初代は「伊豆の踊子」に書き継がれていく川端文学に寄り添った「運命の少女」だったのだろう。「砂に書いた恋文」を何度も消した波が憎々しい。(M)


7月11日(金)

プロ野球・日本ハムの大谷翔平選手(20)の進化が止まらない。9日の対楽天戦で今季2度目の完投で8勝目(1敗)を挙げたが、被安打4に自己最多の16奪三振という文句の付けようのない快投ぶりだった▼大谷選手といえば、打者と投手の二刀流という前代未聞の挑戦を続けているが、入団1年目の昨年は、投手として3勝、打者として打率2割3分8厘、本塁打3本と数字だけ見ると物足りなかった。それが2年目でここまで大化けするとは…▼同じ日ハムの中田翔選手が、超高校級スラッガーとしてプロ入りしながら、4年目にようやくレギュラーを獲得したのと比べると、大谷選手の早熟ぶりにあらためて驚かされる▼すでに投手としてチームのエース的存在なのに加え、打撃面でも規定打席にこそ達していないが、常に3割近い数字をキープしているのだから、ケガ人続出の日ハムにとっては救世主以外の何物でもないだろう▼ただ、彼の活躍を手放しで喜んではいられない。好成績を上げれば上げるほど日本球界を離れる日が早まるのは間違いない。彼が日本にいるうちに、チーム全体の戦力アップを図らないと、日ハムの優勝争いは夢のまた夢になってしまうかもしれない。(U)


7月10日(木)

長く続いてきた道議会函館市区の定数6が、来春の道議選から1議席削減されることが濃厚となった。道議会の定数等検討委員会の座長私案(自民党案)で示され、全道で3増6減とする内容だ▼函館市は旭川市と並び、道内選挙区で最も多い定数6。議席が多い分、有権者の多様な声が反映され、これまで民主、自民、公明、共産の各党が議席を分け合ったり、失ったりしてきた▼国勢調査の人口から見直しをしたところ、函館市は定数5が適正という。人口比で決める公選法の規定を覆すことは難しいが、定数削減でいつも叫ばれるのが「人口だけで計れる問題ではない」という声だ▼選挙区が広い振興局区から聞かれる声だが、面積が広いと政策課題も少なくない。だが、人口減とともに削減されれば、地域の声や課題を伝える議員が減る。かつて渡島管内は定数4だったが、今は単独区として独立した北斗市区を入れても、かつての区割りの範囲で定数3▼人口要件だけで定数協議を続けると、札幌圏の議員だけが増え、地方からいなくなる。国政選挙で言えば、東京など大都市圏の政治家が増える。定数削減は時代の流れだが、地方の声を届けながらどう見直しを進めるか。難題だ。(P)


7月9日(水)

「涙の記者会見」というのは枚挙にいとまがない。政治家や経済人から芸能人、スポーツ選手まで、感動や悲しみが伝わってくる場合もあれば、逆に反感を買うことも少なくない。それにしても、兵庫県議の号泣会見には驚いた▼映像を見た人も多いと思うが、不自然な政務活動費支出に関する記者会見の姿は、テレビやネットの世界でお笑いのネタと化している。この人に投票した1万人超の西宮市民は、どんな思いでいるのだろう▼東京都議会の「セクハラやじ」問題は記憶に新しい。道議会でも「集団的自衛権反対」を訴えた男性が焼身自殺を図った事件を、帯広市区選出道議がツイッター上で批判し、物議をかもしている。議員の品格が問われる出来事が続く▼住民が首長や議員の資質を見極め、判断する最大の機会は選挙。しかし、道内では各級選挙で無投票が目立つ。首長選挙でみると、今年に入って道内21市町村で行われているが、選挙戦になったのは七飯など4市町にとどまる▼江差と長万部の町長選が8日告示された。江差は過去最多の4人、長万部は一騎打ちによる選挙戦に突入した。投票の機会すら貴重になりつつあるご時世だからこそ、両町の有権者には重みをかみしめて1票を投じてほしい。(I)


7月8日(火)

函館はこの10年ほどの間に、さまざまな「150年」を迎えている。近代国家に生まれ変わる幕末の動乱期、わが国の方向を変える大きな出来事が函館で相次いだ▼2004年のペリー来航150年。日米和親条約で下田と箱館の開港が決まり1854年、米海軍提督ペリーが下検分のため5隻の艦船を率いて来航。箱館はその翌年、薪や水、食料の補給地として開港した▼1859年には国際貿易港として開港し、開国への一歩を刻む。2009年に市を挙げて祝った開港150周年は記憶に新しい。保守的な面もあるが、函館が進取に気性に富んでいるのは海外にいち早く門戸を開いた歴史が背景にある▼そしてことしは五稜郭築造150年。蝦夷地を治め、外国からの防衛力強化を図るために築かれた五稜郭は、時代を経て函館観光を支える屋台骨になった。五稜郭や奉行所を守護する北海道東照宮も江戸幕府が開き、函館鎮座150年。このほか、同志社を開いた新島襄も箱館から脱国して150年…▼倒幕を遂げ、藩閥政治の群像を生んだ長州(山口)や薩摩(鹿児島)が18年の明治維新150年に向けて記念イベントを準備する中、ひと足早く150年を重ねている函館を誇りに思う。(P)


7月6日(日)

今、食品に求められているのは安心安全。その前提である、偽りのない表示や説明に欠ける行為が後を絶たない。残念ながら、道内でもつい最近、八雲町や占冠村(上川)で問題が表面化した▼八雲町では熊石地区で名産のアワビ。5月に催されたフェスティバルの際、絶対量が不足したため、ほぼ半分を韓国産で賄った。そこまではいいのだが、韓国産を伏せ、他地域から確保した、という説明にとどめた▼正直とは言えず、意図的だったと指摘されて仕方ない。一方の占冠では特産のワラビで、弁明の余地すらない偽装表示が発覚した。地元産と表記しながら、使っていたのはロシア産だったというのだから悪質▼農産物であれ、海産物であれ、産地に対するブランドイメージは大きい。熊石はアワビで知られ、占冠は山菜の宝庫として知名度がある。だから疑ってかからない。そこに消費者との間に暗黙の了解が成り立っている▼信頼は築くのは難しいが、壊すのは簡単と言われる。単純に比較はできないが、過去には企業の存続を絶たれた例もある。原産地として安心安全を掲げる北海道…表示や説明はその証であり、偽りは許されない。当然ながら「この程度なら」もない。(A)


7月5日(土)

週末はファンのみならず、イベントやグルメを目当てに家族連れが集まるJRA函館競馬場。昨年は札幌競馬場分もあり24日間開催だったが、今年は元に戻り12日間で、早くも半分が終了した▼昨年よりは好天が多く、入場者数は伸びているかと思ったが、そうでもなかった。初日から6日間の入場数は昨年より約1600人少ない約3万7500人にとどまった▼要因について、JRの運休が響いているようだ。毎年、東北や道央圏からも多くの来場者がある中で、6月22日に江差線で脱線事故が発生。新青森─函館間の特急が運休し、札幌─函館間の特急は減便が続いている。もちろん、影響は競馬場ばかりでない▼上半期のニュースを振り返ると「江差線(木古内─江差間)廃線」(5月)「北海道新幹線駅名・新函館北斗に決定」(6月)と鉄道関係が多くなることは予想されていた。「江差線貨物列車脱線事故」は余計だった▼函館では「ペリー提督来航160年」(5月)「函館市国際水産・海洋総合研究センター開所」(6月)「五稜郭築造150年」(同)と明るい話題も多かった。「JRトラブルによる影響」と始まる話題は誰も好まない。もう勘弁を。(R)


7月4日(金)

先の大戦は子どもの頃だった。学校には行けず、裏山や築港などで「戦争ごっこ」の毎日。紙鉄砲で撃ち合ったり、漁で使うカーバイトに火をつけたり、岩場から飛び込み腹を擦りむいたり…▼憲法9条の条文を読み返しても「他国がしている戦争に参加してもいい」「海外に出て行って戦争をしてもいい」という意味には取れない。一貫しているのは「武力行使を永久に放棄」して、国際紛争を解決するとある▼政府は9条の解釈を変更して集団的自衛権を容認した。自国が攻撃を受けていなくても、武力行使が可能になる。安倍政権は「集団的自衛権は一丁目一番地だから」と決定を急いだ▼限定行使のイメージの一つに「日本上空を横切り米国に向かうミサイル迎撃」がある。拉致被害者を再調査する協議の最中に日本海に4発のミサイルが発射された。このミサイルが米国に向かうと、どう判断するのか▼「戦争反対、生きたい」—閣議決定の日の緊急抗議デモには大学生らも参加。安倍首相は「戦争に巻き込まれることはない。大丈夫だ」と胸を張るが、まるで戦争ごっこをする英雄気取りに聞こえる。大江健三郎氏の「実際の行使までは絶対に許さない」に同感。(M)


7月3日(木)

村上龍氏原作の「55歳からのハローライフ」がドラマ化され、NHK総合テレビで土曜午後9時から放送中だ。1話完結で、それぞれの転機に直面した5人の中高年男女の姿を描いている▼2年前、原作の新聞連載にかかわったことが縁で、村上氏の「政府と反乱—すべての男は消耗品であるvol.10」(幻冬舎文庫)の解説を書いた。昨年に2回、村上氏と会う機会もあった▼作風やテレビ番組から強面(こわもて)の印象を受ける村上氏だが、とても気さくに、ざっくばらんにいろいろな話をしてくれた。「ハローライフ」のサイン本もいただいたので、ドラマも興味深くみている▼この作品はこれまでの村上作品と印象が違う。「同年代の登場人物に寄り添うように書いた」といい、「生きていく上での希望が見いだしづらい時代に、希望の種とか芽みたいなものを書きたかった」そうだ▼総務省の人口動態調査によると、函館市の老年人口(65歳以上)は全人口の3割に近い。国が成熟し高齢化社会が進む中で、村上氏は「希望は個人でつかみとるしかない」とも話す。小説の主人公が難局を乗り越え「希望」に向けて歩み出す姿は、数年後に55歳を迎える自分にとって、うらやましくもある。(I)


7月2日(水)

短い北海道の夏を彩る白い花のハンゲショウが咲き始めた。夏至から数えて11日目が七十二候(雑節)の「半夏生」である。1年の中間点で、きょう2日がその日に当たる。昔なら田植えも終わる日▼半夏(ハンゲ)という薬草が生えるころで、農家にとっては大事な節目。ハンゲショウには「秘めた情熱・思い」の花言葉があり、ナツツバキと並んで生け花にもよく使われるが、なんとドクダミ科に属する▼祖母は「この日は天から毒気が降ってくるから、井戸にフタをして毒気を追っ払った。この日に採った野菜は食べなかった」と言っていた。花言葉にほど遠い“危険なハーブ”だったのだろう▼一般に薬草や香味料になる植物を「ハーブ」と呼び、料理、香料、お茶などに利用されるほか、癒やし、リラックスの効果もあって人気を呼んでいる。しかし、逆効果に追い込む「脱法ハーブ」なるものが横行し始めた▼東京で8人を死傷させた暴走車も脱法ハーブの仕業だった。癒やしどころか、頭を狂わせる毒気。日本で原発が稼働してから48年だが、2日の半夏生を境に「原発ゼロの夏」になる。充満する放射能汚染の毒気を払い去るスタートにしたい。(M)


7月1日(火)

「開業時から1日1往復だけでも3時間台で走らせたい」。北海道新幹線の新函館北斗と東京間の所要時間を巡る話だが、4時間を超えるか、超えないか、わずか14分ながら持つ意味は大きい▼報じられているように、新幹線は青函トンネルを含めて82㌔の区間が貨物との共用となる。その影響でトンネル内などは140㌔に減速しなければならず、想定されている所用時間は4時間10分程度▼だが、1往復だけでも3時間台で。“3時間56分列車”が取り沙汰されている。そこまで拘(こだわ)るのは、空路との乗客獲得競争の分岐点がぎりぎり4時間、それを超えると鉄路は厳しくなると言われているから▼あくまで一般論だが、無視もできない一つの見解であることは確か。確かに、鉄路には空路がかなわない利点があるではないか、という論もある。発時刻直前まで都心にいれる、手荷物検査などの煩わしさもない▼そうなのだが、世は今や高速交通の時代。速さは安全に次ぐ大きなサービスであり、ファンを増やす術(すべ)。全列車が3時間台に越したことはないが、たとえ1往復だとしても、夢の実現であることに変わりはない。関係者が躍起になる理由はそこにある。(A)