2008年9月21日(日)掲載

◎「オヤジパワー」で祭り華やか…福島大神宮例大祭・山車行列
 【福島】秋が深まり、各地で大漁・収穫への感謝や地域安全を願う例大祭が盛んに行われている。福島町でもこのほど、3日間の日程で福島大神宮例大祭が開催され、幼児から年配者までが各町内会自慢の山車でまちを練り歩いた。中でも注目を集めたのが三岳第一町内会(金沢安治会長、134世帯)の山車行列。踊り手は町内会女性部が担うのが慣例となっているが、同町内会は女性に混じって男性17人がそろいの浴衣に鉢巻きで登場したためだ。踊り手不足を補う「オヤジパワー」に、沿道からひと際熱い声援が飛んだ。

 同町内会は人口減などの影響で、20年ほど前から女性の「踊り手不足」に悩まされ、青年部(中塚雅美部長)が助っ人として踊りを続けている。通常、男性は町内会所有の山車を引く力作業を担当し、華やかに踊る女性を見守るのが役目とされてきたが、そんな慣例にとらわれてはいられないと一念発起。「踊り手は多いほうが華やか」「われわれ男性陣が一肌脱ごう!」という中塚部長(55)の一声で“お父さん衆”が結束した。

 今年も町内会館で9月1日から2週間、仕事帰りの午後7時から2時間程度、振り付けの練習に汗を流した。同町内会は農家が多いことから、豊作の喜びを表現する「俵積み歌」を念入りにけいこ。例大祭当日は息の合った踊りで、町民からのご祝儀も一段と弾んだという。

 町三岳の特別養護老人ホーム陽光園(山邊十三壽理事園長)では、多くのお年寄りが庭先で山車行列の来園を歓迎した。踊り手の“オヤジ”たちは「皆さんに元気を届けに来ました」「たくさんのお花(ご祝儀)ありがとうございます。わたしたちも、さらに元気が出ちゃいます!」と声を上げ、和やかな雰囲気に包まれた。

 同町内会の中塚和子副会長(67)はそんな男性陣の頑張りに感謝し、「いまでは男性が踊りの主役になりつつある」とにっこり。「お祭りのほかにも、地域清掃や各種行事でお父さんたちが頑張ってくれる。とても頼りがいがある」と話していた。(田中陽介)


◎自民、福島前参議を擁立…次期衆院選8区
 自民党衆院道8区支部(今津寛暫定支部長)は20日、次期衆院選候補に前参議院議員の福島啓史郎氏(62)を擁立することを決めた。同日、党道連に上申書を提出し、22日にも党本部が決定する見通し。福島氏は元農水官僚で、8区候補者選考委員会の川尻秀之委員長は「渡島・桧山の基幹産業である農林水産業に理解が深く、経験や実績からもふさわしい」と述べた。一方、過去2回自民党公認で8区から立候補した佐藤健治氏(51)も出馬の意向を固め、21日に市内で会見を開く。(高柳 謙)

 20日に市内のホテルで開いた候補者選考委員会と8区支部拡大役員会議で川尻委員長と党道連の丸岩公充幹事長が方針を伝え、満場一致で承認された。丸岩幹事長によると、これで道内12選挙区の公認候補がすべて決まった。

 福島氏は1946年山口県宇部市生まれ。東大法学部を卒業後、農水省に入り、林野庁次長や食品流通局長を歴任し、2001年7月の参院選全国比例区で初当選。外務大臣政務官を務め、2007年7月の参院選全国比例区で落選した。

 8区候補者選考は4月から本格化したが難航。丸岩幹事長は「以前から8区に立候補したいと道連などに話があり、前向きに受けてもらえる感触はある。上京し、本人と会って選考経過などを説明したい」と述べた。保守分裂を避けるための佐藤氏の説得については「道連としては接触しないが、党本部には事情を説明したい」とした。

 党道連と8区支部によると、福島氏は農水官僚時代から函館・道南にゆかりがあり、函館水産製氷工場の整備や北海道南西沖地震での奥尻島の災害復旧などに尽力。参議員時代は毎年数回、8区を訪問し函館市や北斗市などで国政報告会を開いている。

 川尻選考委員長は「函館・道南にも知己や人脈があり、前参院議員と即戦力もある。(10月26日投票という)最短の選挙日程を頭に入れ、早急に選挙態勢の構築を進める」と語り、丸岩幹事長も「選考は難航したが、非常にいい結果を出してくれたことに感謝したい」と評価した。 福島氏は23日に函館市で出馬会見する予定。


◎青函航路に新造船導入へ…北日本海運
 「青函フェリー」を運航する北日本海運(函館市浅野町、丹羽雅城社長)が来年4月から、函館―青森航路で新造船「あさかぜ21」(総トン数約2100トン)を導入することが20日までに分かった。旅客定員を現行船の3・5倍に増やすほか、体の不自由な人でも乗降しやすいように「バリアフリー化」したのが特徴。東日本フェリーの撤退で再編が進む青函航路で、物流、旅客両面での活躍が期待される。

 「青函フェリー」は現在、北日本海運と共栄運輸(函館市海岸町、兵頭法史社長)が函館―青森間を2隻ずつ共同運航している。このうち、北日本海運が運航する「あさかぜ」(1134トン、1986年就航)が老朽化したため、2006年春から新造船の事業計画を進めていた。同社の新造船導入は1998年4月の「あさかぜ5号」(1958トン)以来11年ぶり。

 新造船「あさかぜ21」は旅客定員198人で、現行船の「あさかぜ」の55人、「あさかぜ5号」の103人から大幅にアップ。東日本フェリーの高速船の休止に伴い、大型連休やお盆時期などの繁忙期に集客が見込まれる旅客獲得にもつなげたい考え。

 車両甲板も「あさかぜ」よりトラックで4台分多い26台分のスペースを確保する。また、新造船は2000年に施行された「交通バリアフリー法」に基づき、乗降口に障害者や高齢者に配慮したスロープなどを設置する。

 「あさかぜ21」は現在、宮城県石巻市の造船所で建造していて、就航日は来年4月1日の予定。船内、船外ともに老朽化が進んだ「あさかぜ」は来年3月末で退役し、売却する見込み。運航ダイヤや「青函フェリー」全体の船隻数はこれまで通り計4隻体制のままとなる。(森健太郎)


◎空港業務 楽しく学ぶ…エアポートフェスタ
 「空の日」の20日、函館空港で記念イベント「函館エアポートフェスタ’08」が開かれた。初企画となる戸井マグロの解体ショーや地元の農・水産物即売会のほか、子ども向けの航空教室、パイロットの制服を着た記念撮影など盛りだくさんの催しが行われ、大勢の家族連れらでにぎわった。

 周辺住民への日ごろの感謝を込め、空港や飛行機に親しんでもらおうと毎年開催されている。この日は天気に恵まれ、函館市内や近郊から昨年の倍に相当する約5000人が詰め掛けた。

 メーン会場の空港駐車場では目玉企画の戸井産のクロマグロの解体ショーが行われ、割安で販売される即売会の整理券を求めて長い列ができた。地場産の枝豆やカボチャ、ネギなどの農産物販売はこの日の朝採れた新鮮なものばかりとあって、午前中で売り切れる品も相次いだ。

 ターミナルでは現役の航空管制官や整備士らがクイズ形式で業務を紹介する航空教室のほか、客室乗務員やパイロットの子供用制服を着た記念撮影会もあり、あこがれの仕事に子どもたちは興味津々。親たちはわが子の姿を熱心にカメラに収めていた。家族4人で訪れた市内美原3の会社員沢田尚さん(35)は「乗り物好きの息子も大喜び。朝早くから並んで手に入れた戸井マグロを早く味わいたい」と話していた。(森健太郎)


◎実験楽しい!…高専でサイエンス秋祭り
 函館工業高等専門学校(長谷川淳校長)の「サイエンス秋祭りin函館高専」が20日、同校(戸倉町)で行われた。科学実験やロボット操作などさまざまな企画が用意され、多くの家族連れでにぎわった。

 函館高専の活動をPRすると同時に、理科の面白さを伝えようと昨年度から実施。今回は35のテーマ別にブースを設けた。

 イベントが始まった午前9時半から、会場には子どもたちやその保護者らが訪れ、コンクリートを型に流し込む携帯ストラップ作りや手作りゲーム「電撃イライラ棒」、ルミノール反応の実験などを楽しんでいた。模型を使って海底地盤の変異を再現し、津波の威力や仕組みを学ぶ体験コーナーも人気だった。

 家族で訪れた北斗浜分中1年の太田成美さん(12)は「いろいろな実験ができるのが面白い」と話し、コンブの成分を使って人工イクラを作る作業に熱中していた。(新目七恵)


◎若々しい歌声響く 40人大合唱…江差追分全国大会
 【江差】第46回江差追分全国大会(主催・江差追分会など)は2日目の20日、アトラクションとして、地元をはじめ全国で江差追分を学ぶ子供たちが一堂に会して“江差追分大合唱”を披露。会場の町文化会館(茂尻町71)に詰め掛けた大勢の観客は、若さあふれる歌声に盛んな声援を送っていた。

 幼児から高校生まで総勢40人が出演。最年少は地元の東来希君(3)で、姉の美羽音ちゃん(5)と追分特有の合いの手を入れる「ソイがけ」を務めた。選択科目で江差追分の授業がある江差高校の生徒5人も歌声を披露した。

 同日は高橋はるみ知事も江差入りして、子供たちのアトラクションを鑑賞。会場入りに先立ち、濱谷一治町長、打越東亜夫町議会議長、飯田隆一江差商工会長と会食。支庁再編をめぐる対立は“休戦”して、追分談義に花を咲かせた。

 大会は同日、熟年・一般の予選会を終え、一般50人・熟年20人の決選会出場者が決定した。最終日の21日は午前9時の開会式に続き、少年全国大会、熟年・一般大会の決選会を行う。表彰式は午後6時半ごろ。各部門の優勝者が日本一の歌声を披露する。入場料はプログラム代込み2300円。問い合わせは大会本部TEL0139・52・5207。(松浦 純)


◎「ガゴメ料理レシピ集」完成…函館地域産業振興財団
 函館地域産業振興財団(高野洋蔵理事長)はこのほど、函館特産の海産物「ガゴメ」(トロロコンブの仲間)を用いた料理を紹介する冊子「函館がごめレシピ集」を完成させた。ガゴメの特性をはじめ、おにぎりや汁物、サラダなど15品が20?にわたって掲載され、家庭でも手軽に調理できるメニューが簡潔にまとめられている。

 同財団が中核機関となって取り組んでいる文部科学省採択の「都市エリア産学官連携促進事業」の代表的な成果品として、全国区となった「ガゴメ」の消費拡大につなげようと企画。今春から運用している「函館がごめポータルサイト」(http://www.hakodategagome.jp/)の開設準備時に、ガゴメの調理法について教えてほしいとの声も多かったことから、発行することにした。

 監修は函館水産物商業協同組合の秋保栄調理講師と、北大大学院水産科学研究院の安井肇水産学博士に依頼。メニューは細切り、粉末、一枚ものと原料の状態ごとに区分され、ガゴメをまぶすだけのおにぎりから、水戻ししたものを添えるサラダ、手間の掛かる団子入り八杯汁、ババロアまで、ガゴメ特有のとろみ、風味を楽しめるメニューをそろえている。

 発行は2000部で、渡島支庁や函館市臨海研究所、同市地域交流まちづくりセンター、和光1階の「函館がごめランド」で無料配布。同財団は「ガゴメを簡単においしく味わえる方法が載っているので、ぜひ手に入れて調理してほしい」と話している。

 問い合わせは同財団TEL0138・34・2600。(浜田孝輔)